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臨床脳循環—最近の動向
著者: 小笠原邦昭1
所属機関: 1岩手医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1041 - P.1051
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
従来,脳循環測定は必ずしも臨床に不可欠なものとは言い難く,研究者にとっての病態を観察するための手段にすぎなかった.一方,以前より臨床に用いられていたSPECT(single photon emis-sion computed tomography),PET(positron emis-sion tomography),Cold Xe CTの画像処理法の進歩に加え,最近注目されている造影CTあるいはMRIの灌流画像の開発により,3次元的局所脳循環の測定が比較的容易となってきている.これに伴い,臨床にも広く応用され,日常的に局所脳循環画像を見ることができるようになった.しかしその反面,脳循環代謝に関する基礎的知識や測定原理の理解がなくても実際の測定は可能となったので,観測画像や測定パラメーターの解釈上の誤りがしばしば起こり得る.
本稿では,まず脳循環測定の原理を解説した後,各脳循環測定法の特徴について述べ,最後に本稿の主旨である臨床脳循環に関し,最近報告された知見について概説する.
従来,脳循環測定は必ずしも臨床に不可欠なものとは言い難く,研究者にとっての病態を観察するための手段にすぎなかった.一方,以前より臨床に用いられていたSPECT(single photon emis-sion computed tomography),PET(positron emis-sion tomography),Cold Xe CTの画像処理法の進歩に加え,最近注目されている造影CTあるいはMRIの灌流画像の開発により,3次元的局所脳循環の測定が比較的容易となってきている.これに伴い,臨床にも広く応用され,日常的に局所脳循環画像を見ることができるようになった.しかしその反面,脳循環代謝に関する基礎的知識や測定原理の理解がなくても実際の測定は可能となったので,観測画像や測定パラメーターの解釈上の誤りがしばしば起こり得る.
本稿では,まず脳循環測定の原理を解説した後,各脳循環測定法の特徴について述べ,最後に本稿の主旨である臨床脳循環に関し,最近報告された知見について概説する.
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