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研究
境界面を透視した3次元脳槽CT透過画像および3次元脳槽CT画像による脳槽内構築の解析
著者: 佐藤透1
所属機関: 1医療法人社団涼風会佐藤脳神経外科
ページ範囲:P.1067 - P.1073
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
最近のmulti-detector row CTなどCT装置や撮像技術の進歩により,頭蓋内構造の詳細な情報が連続したvolume dataとして容易に取得されるようになった.また,ワークステーションでの可視化画像再構成技術(computer visualization soft-ware)の革新により,高品質な3次元CT画像(three-dimensional computed tomography,3D CT)が,元画像volume dataからきわめて短時間で作成可能となってきた3,6).3D CTは,CT angiogra-phyでの脳血管内腔の描出や頭蓋底・顔面複雑骨折での骨折線描出など,関心構造物の立体的構築を把握するうえで,脳神経外科領域で幅広く臨床応用されている3,4,6-13).
脳槽CTは,髄液腔に造影剤を投与することで,髄液CT値が均一に陽性増強される能動的脳槽描出法である.脳槽CTでは,神経,血管,脳動脈瘤,腫瘍などの脳槽内占拠性構造物や脳槽に隣接する頭蓋底骨構造,脳表などで構成される解剖学的脳槽周囲構築が,髄液腔との関連において,陰影欠損像として,画像上明瞭に区別される.脳槽CTは,脳槽内構造物の形態学的構築を把握する上で,最も空間分解能の高い画像診断法とされている1,2).
最近のmulti-detector row CTなどCT装置や撮像技術の進歩により,頭蓋内構造の詳細な情報が連続したvolume dataとして容易に取得されるようになった.また,ワークステーションでの可視化画像再構成技術(computer visualization soft-ware)の革新により,高品質な3次元CT画像(three-dimensional computed tomography,3D CT)が,元画像volume dataからきわめて短時間で作成可能となってきた3,6).3D CTは,CT angiogra-phyでの脳血管内腔の描出や頭蓋底・顔面複雑骨折での骨折線描出など,関心構造物の立体的構築を把握するうえで,脳神経外科領域で幅広く臨床応用されている3,4,6-13).
脳槽CTは,髄液腔に造影剤を投与することで,髄液CT値が均一に陽性増強される能動的脳槽描出法である.脳槽CTでは,神経,血管,脳動脈瘤,腫瘍などの脳槽内占拠性構造物や脳槽に隣接する頭蓋底骨構造,脳表などで構成される解剖学的脳槽周囲構築が,髄液腔との関連において,陰影欠損像として,画像上明瞭に区別される.脳槽CTは,脳槽内構造物の形態学的構築を把握する上で,最も空間分解能の高い画像診断法とされている1,2).
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