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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻10号

2002年10月発行

文献概要

連載 医療保険制度の問題と改革への提言・8

MSAはわが国の医療保険改革の救世主になるか

著者: 川渕孝一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療経済学

ページ範囲:P.1135 - P.1137

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Ⅰ.はじめに
 どの国にも完壁な社会保障制度はない.しかし,未曾有の少子・高齢社会に突入する日本にとって参考にすべき国が,同じアジアにある.シンガポールである.「シンガポール・モデル」こそ,21世紀の日本が目指すべき姿である.
 医療制度に関しても見習うところが多い.その1つは,シンガポール政府が1984年に導入したメディセーブ口座制度である.これは医療費を個人の貯蓄口座でまかなうものである.シンガポールにおける医療費適正化の一因は,シンガポール国民が国や保険会社に頼らず,自分自身で医療費を支払ってきたことにあるとされる.シンガポールにおける入院率は米国と同程度であるにもかかわらず,同国の医療費はGDPのわずか3.1%である.これに対して米国の医療費はGDPの14%,日本は7.3%に上る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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