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連載 医療保険制度の問題と改革への提言・8
MSAはわが国の医療保険改革の救世主になるか
著者: 川渕孝一1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療経済学
ページ範囲:P.1135 - P.1137
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
どの国にも完壁な社会保障制度はない.しかし,未曾有の少子・高齢社会に突入する日本にとって参考にすべき国が,同じアジアにある.シンガポールである.「シンガポール・モデル」こそ,21世紀の日本が目指すべき姿である.
医療制度に関しても見習うところが多い.その1つは,シンガポール政府が1984年に導入したメディセーブ口座制度である.これは医療費を個人の貯蓄口座でまかなうものである.シンガポールにおける医療費適正化の一因は,シンガポール国民が国や保険会社に頼らず,自分自身で医療費を支払ってきたことにあるとされる.シンガポールにおける入院率は米国と同程度であるにもかかわらず,同国の医療費はGDPのわずか3.1%である.これに対して米国の医療費はGDPの14%,日本は7.3%に上る.
どの国にも完壁な社会保障制度はない.しかし,未曾有の少子・高齢社会に突入する日本にとって参考にすべき国が,同じアジアにある.シンガポールである.「シンガポール・モデル」こそ,21世紀の日本が目指すべき姿である.
医療制度に関しても見習うところが多い.その1つは,シンガポール政府が1984年に導入したメディセーブ口座制度である.これは医療費を個人の貯蓄口座でまかなうものである.シンガポールにおける医療費適正化の一因は,シンガポール国民が国や保険会社に頼らず,自分自身で医療費を支払ってきたことにあるとされる.シンガポールにおける入院率は米国と同程度であるにもかかわらず,同国の医療費はGDPのわずか3.1%である.これに対して米国の医療費はGDPの14%,日本は7.3%に上る.
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