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研究
管腔壁を透視したthree-dimensional MRA transluminal flow imagingによる脳動脈瘤内血流の可視化
著者: 佐藤透1
所属機関: 1医療法人社団涼風会佐藤脳神経外科
ページ範囲:P.1173 - P.1178
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
脳動脈瘤の発生,成長,破裂には,血液の流れによる血行力学的負荷が深く関わっていると考えられ,脳動脈瘤内の流れの解明には,これまで多くの実験的,臨床的検討が行われてきた2,3,8,14,16).しかしながら,脳動脈瘤内血流と脳動脈瘤形態との関連を個々の症例において臨床評価することは,これまで困難とされてきた.
近年,ワークステーションでの画像再構成技術の革新により,CT・MRIなどで得られた生体3次元情報(volume data)から,関心領域を可視化するcomputer visualizationが急速に発展している6,9).MR angiography(MRA)では,血流に関連した情報が一括してvolume dataとして取得されるため,そのなかから関心領域を選択的に抽出し,MR信号強度で示される血流情報を可視化することは技術的に可能である11,12).脳動脈瘤血管構築の微細形態と可視化血流情報を3次元画像上で同時に描出することにより,脳動脈瘤内血流と脳動脈瘤形態との関連を臨床例において3次元的に解析することが可能になるものと思われる.
脳動脈瘤の発生,成長,破裂には,血液の流れによる血行力学的負荷が深く関わっていると考えられ,脳動脈瘤内の流れの解明には,これまで多くの実験的,臨床的検討が行われてきた2,3,8,14,16).しかしながら,脳動脈瘤内血流と脳動脈瘤形態との関連を個々の症例において臨床評価することは,これまで困難とされてきた.
近年,ワークステーションでの画像再構成技術の革新により,CT・MRIなどで得られた生体3次元情報(volume data)から,関心領域を可視化するcomputer visualizationが急速に発展している6,9).MR angiography(MRA)では,血流に関連した情報が一括してvolume dataとして取得されるため,そのなかから関心領域を選択的に抽出し,MR信号強度で示される血流情報を可視化することは技術的に可能である11,12).脳動脈瘤血管構築の微細形態と可視化血流情報を3次元画像上で同時に描出することにより,脳動脈瘤内血流と脳動脈瘤形態との関連を臨床例において3次元的に解析することが可能になるものと思われる.
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