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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻12号

2002年12月発行

文献概要

連載 脳外科医に必要な神経病理の基礎・6

脱髄性疾患

著者: 今野秀彦1

所属機関: 1国立療養所西多賀病院神経内科

ページ範囲:P.1353 - P.1359

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Ⅰ.概念・定義
 脱髄性神経疾患(demyelinating disease)とは,中枢および末梢神経組織において,神経線維の髄鞘およびその構成細胞であるオリゴデンドログリアやシュワン細胞が特異的に脱落するもので,後天的に発症する原因不明の疾患群の総称である.中枢神経組織に生じる疾患のなかで最も多い多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は,臨床的には再発と緩解を繰り返す時間的な多発性と中枢神経組織の様々な部位に病巣(脱髄斑:demyeli—nating plaque)が多発するという空間的な多巣性を示す特徴がある.脱髄斑とは,高度な髄鞘の脱落に比して軸索の変化が軽度である特徴を示す限局性病変のことで,多くは反応性アストログリアの増生を伴う.本稿では,このMSについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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