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研究
先取り鎮痛による脳神経外科手術後の疼痛予防
著者: 本間敏美1 今泉俊雄1 千葉昌彦1 丹羽潤1
所属機関: 1市立函館病院脳神経外科
ページ範囲:P.171 - P.174
文献購入ページに移動脳神経外科領域の手術後には,2/3の患者が中等度から重度の痙痛を訴える1).術後疼痛に鎮痛剤の効果が不十分であったり,鎮痛剤が血圧低下や消化器症状などの副作用を起こすこともあり,使用に戸惑うことがある.また,術後急性期の疼痛は,ときに慢性疼痛の原因となる可能性もあり,術後疼痛を十分抑制することが望まれている3,4,6,9,12).
術後疼痛予防のため,われわれは皮切前に行う局所麻酔剤の皮膚,皮下注入の他,閉創時に局所麻酔剤の術創部への散布などを行ってきたが2,5,6,8,10),経験上十分な効果があったとは思えない.術後疼痛に対して術前より痛覚神経をブロックする先取り鎮痛(preemptive analgesia)が考案されているが3,4,6,9,11,12),われわれは前頭側頭開頭を行った未破裂脳動脈瘤の手術症例において,先取り鎮痛による脳神経外科手術後の疼痛予防を行い6),結果が良好であったので報告する.
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