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子規からまなぶ
著者: 大西丘倫1
所属機関: 1愛媛大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.347 - P.348
文献購入ページに移動子規を知れば知るほどその偉大さがわかるとともに,多くの示唆に富むことを教えてくれる.子規は多くの「号」を持っているがその中に,獺祭書屋主人というのがある(ちなみに子規も号の1つで,これは俳句の時に用いている).獺祭とは,獺が捕らえた魚を祭りに供えるかのように岸に並べる習性を持つことより,詩文を作る際に多くの文献や資料を並べることを言う.子規は自らその性癖を持っていることからこれを号とし,主に俳論に用いた.俳句分類の大業をなし得たのはまさにこの獺祭ぶりが発揮された結果であり,子規が新しい物の見方を体得し,表現方法を錬磨する上で大きな力になったと思われる.新しい発見と技量の向上に,如何に情報の探索・収集・分類整理が重要かを教えてくれる.
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