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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻4号

2002年04月発行

文献概要

集中連載 21世紀の脳神経外科

定位・機能神経外科の進歩

著者: 板倉徹1

所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.351 - P.356

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Ⅰ.はじめに
 20世紀の脳神経外科はHarvey Cushingによるこの分野の草創とともに幕を開けたが,この世紀で脳神経外科は学問としての成熟を果たしたといえるだろう.Harvey Cushingは各脳神経外科疾患の病態と生理を明確にし,その基本的手術手技の確立にも貢献した.その後の進歩の中で脳神経外科の発展に最も寄与したのはYasargilにより創められた手術用顕微鏡の導入とCT,MRIを中心とした画像診断の発達であろう.その他,頭蓋底の外科の進歩は今まで脳神経外科医にとって不可侵とされていた領域の手術を可能にした.さらに手術ナビゲーションの出現や大脳機能マッピングは脳神経外科の手術をより安全にした.
 新しく幕を開けたこの21世紀に脳神経外科はさらなる飛躍的発展を遂げているに違いない.この21世紀の100年の進歩を展望することは,私には不可能であるが,近未来として21世紀初頭10年の進歩を展望することは,若き脳神経外科医に進むべき道標を示唆するものとして有益であると考えここに筆をとった.特に,定位・機能外科の分野に限って私の個人的見解を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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