文献詳細
文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
パーキンソン病に対する定位脳手術
著者: 片山容一1
所属機関: 1日本大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.367 - P.377
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
パーキンソン病に対して広く行われている定位脳手術は,視床腹中間核(Vim)および腹吻側核(Voa/Vop),淡蒼球内節(GPi)ならびに視床下核(STN)の凝固術ないし脳深部刺激療法(DBS)である.これらの手術の成績は,次の2点によって大きく左右されると言える.第1は,手術の対象となっている症状を改善するのに,どこが最適の目標部位かを決定することである.このたあには,現在までに蓄積されてきた解剖学的ならびに生理学的な知見を,的確に分析する必要がある.第2は,個々の症例において,その目標部位を正確に同定することである.このためには,解剖学的ならびに生理学的な知見を,実際の定位脳手術に反映させる技術が必要である.本稿では,この2点に焦点を絞ってその要点を整理する.パーキンソン病の病態から見た手術の意義や,各々の手術の適応については,本稿では触れないことにする.
パーキンソン病に対して広く行われている定位脳手術は,視床腹中間核(Vim)および腹吻側核(Voa/Vop),淡蒼球内節(GPi)ならびに視床下核(STN)の凝固術ないし脳深部刺激療法(DBS)である.これらの手術の成績は,次の2点によって大きく左右されると言える.第1は,手術の対象となっている症状を改善するのに,どこが最適の目標部位かを決定することである.このたあには,現在までに蓄積されてきた解剖学的ならびに生理学的な知見を,的確に分析する必要がある.第2は,個々の症例において,その目標部位を正確に同定することである.このためには,解剖学的ならびに生理学的な知見を,実際の定位脳手術に反映させる技術が必要である.本稿では,この2点に焦点を絞ってその要点を整理する.パーキンソン病の病態から見た手術の意義や,各々の手術の適応については,本稿では触れないことにする.
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