Neurological Surgery 脳神経外科30巻4号

2002年04月発行

症例

多発未破裂動脈瘤の経過観察中に急速に増大し破裂した前交通動脈瘤の1例

著者： 秦暢宏¹ 松島俊夫¹ 宮園正之¹ 吉田史章¹ 松角宏一郎² 辛島篤志³

所属機関： ¹九州大学大学院医学研究院脳神経外科 ²北九州市立医療センター脳神経外科 ³中津脳神経外科病院

ページ範囲：P.411 - P.414

Ⅰ．はじめに
　未破裂脳動脈瘤の治療方針は，一定の見解は得られていない^12）．どのような動脈瘤を手術すべきであるか，もしくは保存的に経過観察するべきかの判断は非常に困難な問題である．われわれは多発未破裂動脈瘤の経過観察中に急速に増大し破裂した前交通動脈瘤の一例を経験したので，小動脈瘤の破裂危険性および未破裂脳動脈瘤の手術適応に関する文献的考察を加えて報告する．