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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻5号

2002年05月発行

文献概要

総説

乳幼児被虐待児症候群と頭部外傷

著者: 坂本敬三1

所属機関: 1坂本小児脳神経外科研究所

ページ範囲:P.461 - P.476

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Ⅰ.はじめに
 転倒し頭を打った・高所から転落した・頭を叩かれた子どもたちを,脳神経外科医が初診するよりも,小児科医・外科医などから紹介されて診察する頻度のほうが高い.
 しかし,現実に診察に際しては被虐待児症候群に属する頭部外傷が含まれていても,それを意識していないことが多いと思われるが,その臨床症状は転倒・転落によるものより重篤なことが少なくない.したがって,初期診断と脳神経外科的治療によっては,生命予後と後遺症の重症度に影響を及ぼすので,被虐待児を搬送する小児外傷センターの重要性が指摘されている27).しかも,被虐待児の発生頻度は最近は特に増加する傾向にあるため,緊急に防止策が必要となり,「児童虐待防止法」が2000年11月20日から施行されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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