文献詳細
文献概要
総説
乳幼児被虐待児症候群と頭部外傷
著者: 坂本敬三1
所属機関: 1坂本小児脳神経外科研究所
ページ範囲:P.461 - P.476
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
転倒し頭を打った・高所から転落した・頭を叩かれた子どもたちを,脳神経外科医が初診するよりも,小児科医・外科医などから紹介されて診察する頻度のほうが高い.
しかし,現実に診察に際しては被虐待児症候群に属する頭部外傷が含まれていても,それを意識していないことが多いと思われるが,その臨床症状は転倒・転落によるものより重篤なことが少なくない.したがって,初期診断と脳神経外科的治療によっては,生命予後と後遺症の重症度に影響を及ぼすので,被虐待児を搬送する小児外傷センターの重要性が指摘されている27).しかも,被虐待児の発生頻度は最近は特に増加する傾向にあるため,緊急に防止策が必要となり,「児童虐待防止法」が2000年11月20日から施行されている.
転倒し頭を打った・高所から転落した・頭を叩かれた子どもたちを,脳神経外科医が初診するよりも,小児科医・外科医などから紹介されて診察する頻度のほうが高い.
しかし,現実に診察に際しては被虐待児症候群に属する頭部外傷が含まれていても,それを意識していないことが多いと思われるが,その臨床症状は転倒・転落によるものより重篤なことが少なくない.したがって,初期診断と脳神経外科的治療によっては,生命予後と後遺症の重症度に影響を及ぼすので,被虐待児を搬送する小児外傷センターの重要性が指摘されている27).しかも,被虐待児の発生頻度は最近は特に増加する傾向にあるため,緊急に防止策が必要となり,「児童虐待防止法」が2000年11月20日から施行されている.
掲載誌情報