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研究
脳死判定に影響を及ぼすbarbiturate血中濃度の検討
著者: 斎藤隆史1 倉島昭彦1 小田温1 青木悟1 遠藤浩志1 梨本岳雄1 山田隆一2
所属機関: 1長野赤十字病院脳神経外科 2長野赤十字病院薬剤部
ページ範囲:P.593 - P.599
文献購入ページに移動わが国においては1997年10月15日『臓器の移植に関する法律』の成立以来,脳死体からの臓器移植が可能となり,法的脳死判定後の臓器移植は既に10例を超えた.しかし脳死判定に影響を及ぼし得る薬剤に関しての検討は未だあまりなされていない.『臓器提供施設マニュアル』には「可能ならば薬剤の血中濃度測定を行うことが望ましい」との記載はあるものの8),常用量を越えて薬剤を投与した場合の脳死判定は困難な場合が多い.特に重症頭部外傷をはじめとする重症脳疾患に対し行われているbarbiturate療法後の脳死判定に関しては,barbiturateの長期持続投与が脳死判定に及ぼす影響が大きく,現在のところ法的脳死判定を行うのは難しいのが現状である.当科では以前よりbarbiturate療法にthiamylalを用いているが,今回barbiturate療法を行った症例における,末梢血中のthiamylal血中濃度の測定を行い,脳死判定に影響を及ぼす血中濃度レベルを検討したので報告する.
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