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研究
経過観察中に破裂した無症候性未破裂脳動脈瘤—動脈瘤の大きさと破裂の危険に関して
著者: 須賀正和1 山本祐司1 角南典生1 安部友康1 道上宏之1
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.609 - P.615
文献購入ページに移動わが国ではMR装置など診断機器の発達により無症候性未破裂脳動脈瘤が発見される機会が増加し,またその際発見される動脈瘤の大きさは10mm未満の占める割合が多いと報告されている8,9).ところが,1998年のThe New England Jour-nal of Medicineに掲載された国際共同研究:Inter-national Study of Unruptured Intracranial Aneu-mysms(以下ISUIA*)12)では,くも膜下出血(以下SAH)に合併しない径10mm以下の未破裂脳動脈瘤の破裂率は0.05%と従来の報告と比べ著しく低く報告されたため,わが国で発見される割合が多い径10mm未満の未破裂脳動脈瘤の治療方針に混乱を来している.今回,われわれは経過観察中に破裂した無症候性未破裂脳動脈瘤5症例(すべて初回診断時に長径が10mm未満であった)の報告を行い,その自然歴,特に大きさと破裂の危険性に関して検討した.
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