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症例
111In-DTPA脳槽SPECTが診断に有用であった髄液鼻漏の1例
著者: 米盛輝武12 刈部博1 松野太1 本望修1 南田善弘1 上出廷治1 田邊純嘉1 端和夫1
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科 2北見脳神経外科病院
ページ範囲:P.617 - P.621
文献購入ページに移動髄液鼻漏は,頭部外傷や脳神経外科手術の合併症として生じ,中枢神経系感染症を引き起こすことがあるため,早期かつ的確な診断・治療が重要である.多くの場合,髄液鼻漏は保存的治療により軽快するが,保存的治療で軽快しない場合には外科的閉鎖術を必要とする15).
髄液鼻漏の確定診断には,髄液漏出の証明および髄液漏出部位の特定が重要である.髄液鼻漏の診断法としては,glucose oxidase strip(テステープ®)法15),脳槽シンチグラフィー法1,5,12,13),メトリザマイドCT法8)などが報告されているが,これらの検査法は感度が低いため髄液漏が微量の場合には検出できないこともある.また,MRIによる瘻孔の検出が診断に有用であるとする報告もあるが2-4,6,8,9),瘻孔が小さい場合や貯留液が髄液と異なった信号強度を呈する場合には確定診断に苦慮することも多い.
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