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症例
片側眼球突出にて発症したプロラクチン産生異所性下垂体腺腫の1例
著者: 榊原陽太郎1 関野宏明1 田口芳雄2 田所衛3
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学脳神経外科 2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院脳神経外科 3聖マリアンナ医科大学病理
ページ範囲:P.623 - P.628
文献購入ページに移動異所性下垂体腺腫とは,正常なトルコ鞍内下垂体組織と解剖学的に連続しない,トルコ鞍外に生じた下垂体腺腫と定義される21).下垂体前葉組織の発生と関連し,これまでに鼻咽頭部16,25)あるいは蝶形骨洞内1,2,7,8,11,13,14,23,24),漏斗周囲のトルコ鞍上部6,9,15,20,22)などに発症例の報告がみられ,またこれらの中には,各種の下垂体前葉ホルモン産生・分泌活性を有するものも存在することが知られている13).
一方,下垂体腺腫により眼球突出が引き起こされることが稀にある.海綿静脈洞への還流障害3),炎症細胞浸潤4)など,各種の機序が推測されているが,いずれにしても極めて稀な病態で,これまでに少数の症例報告がみられるのみである4,5,10,18).
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