Neurological Surgery 脳神経外科30巻6号

2002年06月発行

症例

前頭葉atypical teratoid／rhabdoid tumorの1手術例—SPECT・PETによる多面的解析

著者： 笹嶋寿郎¹ 小田正哉¹ 木内博之¹ 畑澤順² 溝井和夫¹

所属機関： ¹秋田大学医学部脳神経外科 ²秋田県立脳血管研究センター放射線科

ページ範囲：P.639 - P.645

Ⅰ．はじめに
　Atypical teratoid／rhabdoid tumor（AT／RT）はRorkeら^10,11）により提唱された極めて悪性な腫瘍で，乳幼児の後頭蓋窩に好発するとされ^9），今回文献を渉猟した限りでは青年期以降の症例は8例にすぎない^3）．最近，青年期に発症したAT／RTの稀な1例を経験し，SPECT，PETを用いた代謝画像とMRIの画像合成による解析は本症例の治療計画に有用であったので報告する．