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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻7号

2002年07月発行

文献概要

総説

脳機能の局在化とFunctional MRIの決定力

著者: 加藤俊徳1

所属機関: 1財団法人濱野生命科学研究財団小川脳機能研究所

ページ範囲:P.685 - P.700

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Ⅰ.ヒト脳機能研究の十字路
 1990年代初期に,赤血球のヘモグロビン(Hb)を利用したヒトの非侵襲的局所脳機能計測法が,ツインズのように出現した.1つは,1992年2月11日に国立精神神経センターのKatoらによって発案投稿されたfunctional NIRS(fNIR)である17).ベッドサイド近赤外線トポグラフィー法と総称される光学的手法のfNIRは,ベッドサイドで直接的に赤血球中の酸化型Hb(HbO2)と還元型(HbR)を区別して用いることで,脳血流代謝反応の選択的局在化に成功した報告であった.ベッドサイドで脳波による電気活動の経時的計測に依存していた方法論からのパラダイムシフトが,突然起きたのである.fNIRは細い動静脈,毛細血管からの信号を測定環境のシールドをすることなく検出できる.最近,fNIRは太い静脈よりも,毛細血管からの信号検出に優れていることがYamamotoと発明者のKatoの研究によって,理論的に明らかにされた47)
 もう1つは,1992年3月26日にマサッチューセッツ総合病院のKwongらによって投稿されたT2強調画像のfunctional MRI(fMRI)である27).間接的に赤血球中のHbRを介して,局所の磁場強度の変化を観察していると,推測されてきたfMRIである37)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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