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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻7号

2002年07月発行

文献概要

連載 医療保険制度の問題と改革への提言・2

平成14年度診療報酬改定にあたって

著者: 中川俊男1

所属機関: 1新さっぽろ脳神経外科病院

ページ範囲:P.779 - P.783

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Ⅰ.はじめに
 わが国の医療保険制度は,その根本精神が「いつでも,どこでも,だれでも」と表現されるようにフリーアクセスと国民皆保険体制を堅持してきた.先にWHOが発表したWorld Health Report20001)において,日本の医療保険制度は健康達成度総合順位1位という評価を得た.とくに健康で自立して生活できる健康寿命は1位,年齢や地域間の格差のない平等性は3位とされている.国民は文字通り世界一の医療保険制度の下で男女ともに平均寿命世界一,先進国中最低の乳児死亡率という輝かしい成果を享受してきた.一方,このような成果があるにもかかわらず,国の経済力の指標であるGDP(国内総生産)に対する医療費の割合は7%台で,1位米国の約半分,先進29カ国中でも18位に過ぎない2)
 小泉内閣が進めている構造改革において,政府が導入を目指しているのは,4,300万人もの医療保険未加入者を生み出すようなアメリカ型の医療制度である.そこにあるのは,貧富の差で診療内容が異なるような日本人には凡そ馴染まない弱肉強食の世界である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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