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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻7号

2002年07月発行

文献概要

連載 医療保険制度の問題と改革への提言・3

現場からの実例・提言—在院日数一率短縮について

著者: 中村博彦1 堂本洋一2 伊藤昌徳3 津金隆一4 寺岡暉5

所属機関: 1中村記念病院 2慶應義塾大学伊勢慶應病院脳神経外科 3東京都保健医療公社東部地域病院脳神経外科 4東海大学脳神経外科 5医療法人(社団)陽正会寺岡記念病院

ページ範囲:P.785 - P.789

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 脳神経外科中心の専門医療施設で今後の診療報酬の動向を考慮すると,最も厳しい点は在院日数短縮の問題である.急性期特定病院加算の施設基準は,1)紹介率30%以上,2)平均在院日数20日以内が主要な項目であり,看護料もⅠ群の2:1ないし2.5:1の加算を得るには,それぞれ25日,28日以内の平均在院日数が必須である(平成14年3月時点).さらにこの4月の改正でそれぞれ17日,21日,26日と短縮された.当院の平均在院日数は現在約33日であるので,2:1に相当する看護婦さんが働いていても実際にはⅡ群の3:1の低い点数しか請求できない仕組みになっている.
 平均在院日数の短縮については当院も努力しており,近いうちにベッドの一部を移してリハビリテーションを中心とした分院を作る予定ではあるが,それでも20日を切ることは至難の業であり,本気で在院日数を短縮しようとすると患者さんにとっても大変不幸な状況になる.私個人は中村記念病院に戻るまで東京大学関連病院の脳神経外科に勤務し,そこは厚生労働省(厚労省)がモデルとしているような公的総合病院であったが,多くの病院は入院が長引きそうな脳卒中や肺炎などの高齢者の患者さんには目もくれず,患者さんのことを考えて入院させた研修医が,上司に何故入院させたのかと叱られるような状況であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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