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研究
小児のシャントチューブ断裂の臨床的検討
著者: 森下暁二14 長嶋達也1 倉田浩充2 江口貴博3 玉木紀彦4
所属機関: 1兵庫県立こども病院脳神経外科 2白菊園病院脳神経外科 3水の都脳神経外科病院 4神戸大学大学院医学系研究科脳神経外科学
ページ範囲:P.839 - P.845
文献購入ページに移動小児の水頭症に対する有効な治療法としてシャントが用いられているが,多くの例が種々の原因によりシャント機能不全として再手術を余儀なくされる.過去の報告によるとシャント機能不全の原因として最多はシャント閉塞であり3,5,6),特に中枢側の閉塞が多い3,6,9).次いで多いのが感染,または断裂・接続部における脱落によるものとされている3,5).中でもシャント断裂(Fig.1)に関する報告は従来から散見され7,8,11),断裂後の遊走管による臓器穿通例の報告もある7).われわれの施設においてもシャント断裂は全シャント機能不全のうち8.7%を占めており,シャント術後の合併症として重要であると思われた.当院におけるシャント断裂の臨床的特徴を検討し,文献的考察を加えて報告する.
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