文献詳細
文献概要
症例
大脳ゴム腫の1例
著者: 勝田俊郎1 石原信一郎1 内藤愼二2
所属機関: 1国立嬉野病院脳神経外科 2国立嬉野病院病理
ページ範囲:P.881 - P.885
文献購入ページに移動抗生剤の発達により,今日では日常診療で梅毒患者に遭遇することは少ない.脳神経外科領域においても術前に梅毒血清反応をルーチンに調べるが,たとえ陽性であったとしても治療を要する病態のものは極めて稀である.しかしながら,未だに根絶に至っていないこの疾患により,わが国でも神経症状を呈して脳神経外科を訪れる患者が稀ながらいるのは事実であり4-7,13),診断・治療方法に関しての知識は,われわれ脳神経外科医にとっても必要であると思われる.われわれは最近,大脳ゴム腫により不全片麻痺・けいれんを発症した患者を経験した.この症例を報告し,画像診断を中心に文献的考察を加えてみたい.
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