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症例
不明熱を繰り返した先天性皮膚洞の1例
著者: 峯岸和教1 日下康子1 白根礼造1 吉本高志1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野
ページ範囲:P.967 - P.971
文献購入ページに移動先天性皮膚洞は,神経管の閉鎖障害に起因する奇形である.身体正中線上に発生し,体表から皮下,硬膜管内などに至ることが知られている1,6,11).硬膜管内に達する場合,類皮腫あるいは類上皮腫を合併することがあり,その場合,腫瘍の占拠効果による神経症状や,嚢腫内容物による無菌性髄膜炎,嚢腫内膿瘍形成による髄腔内感染に起因する神経症状を呈することが報告されている5-7,11).一般に先天性皮膚洞はこうした合併症を呈するまで見逃されていることが多く,また重篤な神経症状を呈して後の治療予後は不良である2,3,8,11).今回われわれは不明熱を繰り返したことにより発症し,神経症状を呈する前に根治手術を施行し得た先天性皮膚洞の類上皮腫合併例を経験したので報告する.
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