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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科30巻9号

2002年09月発行

文献概要

Coffee Break

高血圧,糖尿病は脳卒中発症にどのように影響するか?

著者: 鈴木一夫1

所属機関: 1秋田県立脳血管研究センター疫学研究部

ページ範囲:P.1016 - P.1017

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 脳出血の最大の危険因子は高血圧である.高血圧治療ガイドライン2000年版では,一般的に140/90mmHg未満を高血圧治療の降圧目標値とするが,高血圧に糖尿病が合併した場合は脳卒中発症の危険が著しく増大することから,さらに低い130/85mmHg未満を目標値としている.しかし,日本での脳卒中発症に関する疫学研究では,血清の総コレステロールや蛋白質が低値であることが脳出血危険因子となることが明らかにされている.このような低栄養を反映する状態は,2型糖尿病の発症には予防的に働くと推測される.したがって,糖尿病の存在は脳卒中の全ての病型で発症の増大をもたらすものではないと思われる.
 秋田県の脳卒中発症登録での1995年から1999年までの発症者8,291人を症例,1997年の集団検診を受診した脳卒中既往歴のない地域住民5,918人を対照として,高血圧,糖尿病,高血圧と糖尿病の合併,年齢,飲酒,喫煙を共変量としてロジスティック解析を行い,全脳卒中,脳出血,くも膜下出血,脳梗塞における高血圧,糖尿病,両疾患合併の相対危険を検討した(Fig 1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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