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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻1号

2003年01月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

経皮的椎体形成術—適応と手技

著者: 徳永浩司1 杉生憲志1 中嶋裕之1 伊達勲1 大本堯史1 RÜFENACHT2

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科神経病態外科学(脳神経外科) 2ジュネーブ大学神経放射線科

ページ範囲:P.7 - P.14

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Ⅰ.はじめに
 経皮的椎体形成術(percutaneous vertebroplasty)とは腫瘍による溶骨性変化や骨粗鬆症による圧迫変形を来した脊椎椎体に対し,除痛を得ることを目的として,経皮的に金属針を刺入し,骨セメントであるpolymethylmethacrylate(PMMA)やリン酸カルシウムペーストなどの骨補填剤を注入する方法である(Fig.1).除痛の得られる機序に関しては椎体の安定性の獲得,PMMAモノマーの毒性や硬化時の熱による骨内痛覚受容神経の損傷などが考えられているが,詳細は未だ不明であり4),実際にPMMA注入量が意図したよりも少量に終わっても十分な除痛効果が得られるとされている2)
 本法は,1984年にフランスのDeramondらがPMMAを用いて頸椎巨大血管腫を治療したことに始まり8),以後疼痛を主訴とした椎体部腫瘍や骨粗鬆症における圧迫骨折などに適応が拡大され,欧米においてはその有用性が広く認知されるにつれ手術例が飛躍的に増加している1,2,13,19,28).本邦では未だ一般的な治療法にはなっておらず,一部の放射線科医,脳神経外科医により行われているのみである12,16).筆者らはジュネーブ大学神経放射線科において本法を習得し19),岡山大学医学部倫理委員会の承認を得て治療を開始している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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