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研究
無症候性未破裂脳動脈瘤に対する手術侵襲
著者: 石黒友也1 安井敏裕1 森川俊枝1 松阪康弘1 小宮山雅樹1 山中一浩1 岩井謙育1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.35 - P.40
文献購入ページに移動無症候性未破裂動脈瘤が発見される頻度は近年増加傾向にある12).未破裂例の手術が正当化されるためには,術中・術後の合併症を起こさない細心の注意が要求される.手術侵襲が大きいと術後合併症の発生率は高くなることが知られており11,14,17),手術侵襲の程度を客観的に評価することは術後管理を行ううえで重要である.手術侵襲の評価には炎症性サイトカインの1つであるInterleukin−6(IL−6)の血中濃度が用いられることが多い1,4,5,7,10,11,14).IL−6により肝臓からC-reactive protein(CRP)が誘導され,両者は平行して動くことから1,7,10),血中CRP値も手術侵襲の評価に用いられている1,7-10,18).サイトカインやCRPの値を用いた手術侵襲の評価は他科領域では試みられているが1,4,5,7-11,14,18),脳神経外科領域においてはわれわれの渉猟し得る範囲では見られない.そこで今回,容易に測定できる血中CRP値を用いて無症候性未破裂動脈瘤の手術侵襲度を評価した.
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