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連載 脳外科医に必要な神経病理の基礎・7
変性疾患(1)痴呆性疾患
著者: 望月葉子12 水谷俊雄1
所属機関: 1東京都立神経病院検査科 2東京都立北療育医療センター内科
ページ範囲:P.89 - P.97
文献購入ページに移動原因不明の痴呆性疾患では神経細胞内に生じる封入体が特に注目され,Alzheimer型痴呆(ATD)やLewy小体型痴呆(DLB)のように封入体の出現量が病理診断上,重視される傾向にある4,10).また,遺伝子異常が明らかになった疾病もあり1),今後,このような分子生物学的解明が進むものと期待される.しかしその一方で,痴呆性疾患は原則として臨床症状によって特徴付けられており,したがって,痴呆性疾患では脳のどの部位が障害されたかということが最も基本であることは言うまでもない.そこで臨床症状との関連からみた痴呆症の全般的な病理といくつかの皮質性の変性性痴呆疾患について述べる.
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