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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻1号

2003年01月発行

文献概要

連載 医療保険制度の問題と改革への提言・11

現場からの実例・提言:セカンド・オピニオン—脳神経外科における相談料(技術料)について

著者: 山下純宏1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科脳機能制御学(脳神経外科学)

ページ範囲:P.101 - P.107

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 最近「セカンド・オピニオン」を求めて外来を受診される患者が増えています.現行の診療報酬制では,医師の経験や技術料がほとんど評価されていません.研修医でもベテラン医師でも,同じクスリを処方すれば診療報酬点数は全く同額であります.同じ名前のつく手術術式であれば,専門医であろうがなかろうが,経験や技術の差は評価の対象とはならず,誰が執刀しても診療報酬点数は全く同じであります.極端なことをいえば,経験の乏しい医師が執刀して,合併症が起こればその分だけ治療費がかさみ,皮肉にも,かえって病院の収入は増えることになります.
 患者さんが「セカンド・オピニオン」を求めて来診された時に,どんなに時間をかけて相談に乗り親切に説明しても,今回紹介する事例のように,患者負担額は初診料を含めて数千円以下です.われわれのように国立大学病院に勤務する医師の場合は国家公務員(文部教官)ですから,長い手術などで朝から深夜までぶっ続けに働いても,あるいは受け持ちの重症患者のために時間外に深夜まで,あるいは日曜休日に出勤して働いても,「当直医」に当たっていない限り,時間外手当は全く支給されません,文部教官ですから,「教育と研究」のみが仕事の他学部の教官と同じ給料しか支給されません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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