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症例
人工血管を用いて総頸動脈血行再建術を行った甲状腺癌の1例
著者: 占部善清1 加藤祥一1 藤井正美1 秋村龍夫1 梶原浩司1 藤澤博亮1 北原哲博1 鈴木倫保1 堀池修2 今手祐二2
所属機関: 1山口大学医学部脳神経病態学講座脳神経外科 2山口大学医学部脳神経病態学講座耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1105 - P.1109
文献購入ページに移動脳神経外科領域では頸部の頸動脈狭窄症に対して内膜剥離術が一般的に施行されるが,人工血管を用いた血行再建術は少ない.甲状腺腫瘍の治療では,腫瘍の全摘出術が必要とされる.特に悪性腫瘍の場合は,頸動脈へも浸潤し,腫瘍摘出術に際して,頸動脈より腫瘍が剥離できない場合がある.今回われわれは,総頸動脈に浸潤した甲状腺癌の摘出術において総頸動脈の合併切除を行い,ePTFE(expanded polytctrafluoroethylene)を用いて総頸動脈再建術を行って,全摘出術を施行した1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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