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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻11号

2003年11月発行

文献概要

総説

経蝶形骨下垂体手術の合併症

著者: 寺本明1

所属機関: 1日本医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.1165 - P.1176

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Ⅰ.はじめに
 トルコ鞍部腫瘍あるいは腫瘍様病変に対する経蝶形骨手術(transsphenoidal surgery以下TSSと略)は一般に低侵襲な手技,すなわち安全な手術とされている,しかしながら,時代や施設,術者や手技によって差はあるものの,後述するように主な合併症が4.8〜10数%に,また手術死亡が0.6〜0.9%にみられている.全くの偶発的なものは別として,これらの合併症の主な理由は以下のごとくである.(1)基本的にTSSは狭く深い術野であること.(2)したがって鞍外(特に鞍上部)に大きく進展している病変は十分に摘出できないこと.(3)上方には視神経や視床下部があること.(4)側方には内頸動脈があり,時に術野に近接した走行をすること.(5)病変の摘除に際して頭蓋内外が交通する可能性があること.
 筆者は本手術法の専門家として,医師や患者から様々な合併症の相談を受けたり,裁判の鑑定を行ってきた.もちろん,筆者自身も主な合併症の多くを自ら体験した.本稿ではTSSの主な合併症に関して,自験例と文献例からそれらの頻度,原因および対策について論じたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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