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研究
脊髄神経刺激装置を利用した横隔膜ペーシングの試み
著者: 光山哲滝1 平孝臣1 及川明博2 武田直人2 松本有紀子1 原島志保1 堀智勝1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京都立大久保病院脳神経外科
ページ範囲:P.1179 - P.1183
文献購入ページに移動脳幹損傷や上位頸髄損傷による中枢性呼吸不全は重大な医学的かつ社会的な問題のひとつである.これらの患者には人工呼吸器による持続陽圧呼吸管理が必要であるが,非生理的な陽圧呼吸であり,感染を引き起こしやすく,患者に臥床状態を余儀なくさせる.横隔神経を電気刺激し横隔膜を収縮させることにより生理的な陰圧呼吸を可能にする横隔膜ペーシング法が,このような患者に対し非常に有用であることは欧米では周知の事実で古くから行われてきた1-5).多くの場合Avery社(Avery Laboratories, Inc.,Commack, NY)製の横隔膜ペーシング装置が植え込まれるが,この装置は本邦では医療器具の承認を受けておらず,入手困難である.そこで,疼痛などの治療に用いられる脊髄神経刺激装置を横隔膜ペーシング装置の代わりに植え込み呼吸管理を試みたので,その有用性について文献的考察を加えて報告する.
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