文献詳細
文献概要
症例
変性が強く特徴的な幼弱グリアを伴った偽乳頭構造からなるPapillary Glioneuronal Tumorの1例
著者: 江波戸通昌13 角田朗1 丸木親1 池谷不律1 岡田基2
所属機関: 1越谷市立病院脳外科 2越谷市立病院病理科 3越谷市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.1185 - P.1190
文献購入ページに移動従来のneuronal and mixed glioneuronal tumorの分類に収まらない腫瘍が報告されてきている10).Papillary glioneuronal tumor(PGNT)は,1998年にKomoriらが9例の自験例を提示して,特有のヒアリン化し肥厚した血管とそれを取り囲む一層のastrocytic cellが偽乳頭(pseudopapillary)構造を形成し,この構造の間隙には種々の神経系への分化を示す腫瘍細胞が介在するといった多彩な病理像を示す,新たなneuronai and mixed gliolleu—ronal tumorの範疇に属する腫瘍と定義した6).その後3例の報告例が続いたが,WHO分類にはまだ採用されていない3,4,7,8).われわれは29歳女性のPGNTを経験した.特徴的なものとして,偽乳頭構造の血管の内腔がほとんど閉塞するような強い変性とそれを被覆する紡錘形星細胞と周囲に幼弱なグリア系と推定される細胞を伴っていた.
掲載誌情報