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研究
成人無症候性もやもや病の臨床像と予後
著者: 難波理奈1 黒田敏1 竹田誠2 七戸秀夫1 中山若樹1 石川達哉1 宝金清博1 岩﨑喜信1
所属機関: 1北海道大学医学研究科脳神経外科 2函館中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.1291 - P.1295
文献購入ページに移動もやもや病は両側内頸動脈終末部を中心に狭窄が生じ,拡張したレンズ核線状体動脈などが異常な血管網として検出される特異な疾患であり,その疾患概念が確立してから30年以上が経過している15).最近のMRIやMRAなど診断技術の進歩により,偶然,これまで無症候であったもやもや病が発見される機会が増加しているといわれている.現時点では,無症候型もやもや病の臨床像や治療,予後について検討した報告は全くなく,その治療方針に関する具体的な指針もないのが現状である.しかし,診断技術の発達に伴って,今後もこのような症例は明らかに増加すると考えられ,それぞれの医療機関において適切な診断や治療がなされるように,現時点から活発に議論されるべき問題であると,われわれは考えている.そこで,今回,われわれは,これまでに経験した成人無症候性もやもや病10症例の臨床像や予後を検討したので報告する.
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