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症例
ステント留置術により血行動態が著明に改善した高度内頸動脈狭窄症の1例—hyperperfusionの予防と対策の重要性について
著者: 柏崎大奈1 黒田敏1 牛越聡2 七戸秀夫1 石川達哉1 浅野剛2 志賀哲3 玉木長良3 岩﨑喜信1
所属機関: 1北海道大学・大学院医学研究科脳神経外科 2北海道大学・大学院医学研究科放射線科 3北海道大学・大学院医学研究科核医学科
ページ範囲:P.1315 - P.1320
文献購入ページに移動近年,頸動脈狭窄症に対してステント留置術(stenting)が頸動脈内膜剥離術(CEA)に並び行われるようになった.CEA, stentingの効果の優劣や選択基準は,まだ明らかではないが,合併症を伴ったhigh riskの症例の場合にはstentingを行うことが多くなっている4).しかし,stentingもCEAに比し安全な手技とはいえず,塞栓症や過灌流症候群(hyperperfusion)により,重篤な神経症状を後遺することも報告されており,適応の決定や周術期の管理に注意を要する点では,CEAと変わらないと指摘されている.
今回,われわれは,高齢で高度の脳血行不全,狭心症などの全身合併症を伴った高度内頸動脈狭窄を有する症例に対してstentingを施行し,術中,術後の検査でhyperperfusionが検出されたが,対症療法により合併症が生じず,血行動態も著明に改善した症例を経験したので報告する.
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