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症例
塞栓部位の決定に際しIntravascular Ultrasoundが有用であった硬膜動静脈瘻の1例
著者: 新堂敦1 川西正彦1 政田哲也1 河井信行1 田宮隆1 長尾省吾1
所属機関: 1香川大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1323 - P.1329
文献購入ページに移動Intravascular ultrasound(IVUS)は,挿入した血管およびその周囲の状態を観察でき,頸動脈ステント留置術等の血管内手術時の支援装置として有用である5,7).横・S状静脈洞部硬膜動静脈瘻(transverse-sigmoid sinus dural arteriovenous fis-tula:TS-SS DAVF)は,症例によっては血管内手術により経静脈的にアプローチし,動静脈シャントが存在する静脈洞そのものをpackingすることにより根治可能なものもある2,6,8).しかし,不適切なpackingではシャントが残存したり,逆行性脳表静脈流出路(retrograde leptomeningeal ve-nous drainage:RLVD))の血流がかえって増加して頭蓋内出血を起こす危険性があるため,pack-ingする範囲は的確に決定すべきである2,6,8).今回われわれは,TS-SS DAVFの塞栓術に際しIVUSによる病変部の観察を行い,静脈洞をpack-ingする範囲を決定する際に非常に有用であった症例を経験したため報告する.
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