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扉
下垂体との出会い
著者: 阿部琢巳1
所属機関: 1昭和大学脳神経外科
ページ範囲:P.123 - P.124
文献購入ページに移動 いつもこの扉を楽しく拝見させて頂いている.日本の名だたる脳神経外科の先生方が,さまざまなテーマを取り上げて卓越した文章で執筆されている.不思議と脳神経外科医としての専門分野のことを書かれる先生方が少ないのには驚いている.皆さん,いろんなことをよくご存知だなあ,難しい文章をお書きになるなあなどと感心したりもしている.しかし,いざ,自分がこの扉に執筆依頼を頂いてからは何を書いたら良いのかさんざん迷い,よっぽど医学論文を書くほうが楽だなあ,と思ったりした.そこで,まだまだ人生経験が少ない私にとって,素晴らしく気の利いた文章など始めから書けるはずもないので,自分の得意とする“下垂体”というテーマで執筆することが最も無難であると思った次第である.前置きが長くなってしまったが,そのような理由から私が今まで経験してきたことを書き連ねてみることにした.
私は,1985年に母校の昭和大学医学部を卒業後,その当時,大外科制度をとっていた外科学教室に入局した.一般外科,胸部外科,小児外科,麻酔科などを研修した後,脳神経外科学を専攻した.月並みではあるが,脳神経外科を志したのは,何と言っても手術用顕微鏡を用いた数ミリを争うその繊細な手術に魅せられたからである.こんな手術,本当に自分にできるようになるであろうか,という不安に苛まれながらの選択であった.
私は,1985年に母校の昭和大学医学部を卒業後,その当時,大外科制度をとっていた外科学教室に入局した.一般外科,胸部外科,小児外科,麻酔科などを研修した後,脳神経外科学を専攻した.月並みではあるが,脳神経外科を志したのは,何と言っても手術用顕微鏡を用いた数ミリを争うその繊細な手術に魅せられたからである.こんな手術,本当に自分にできるようになるであろうか,という不安に苛まれながらの選択であった.
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