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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻2号

2003年02月発行

文献概要

症例

初回手術より4カ月の経過で悪性転化した髄膜腫の1例

著者: 中塚博貴12 大上史朗1 大田信介1 中川晃1 福本真也1 久門良明1 大西丘倫1

所属機関: 1愛媛大学医学部脳神経外科 2済生会西条病因脳神経外科

ページ範囲:P.181 - P.186

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Ⅰ.はじめに
 髄膜腫は,腫瘍の全摘出あるいはそれに近い摘出により,20年以上の長期生存が期待できる良性疾患ではあるが,Simpson grade Ⅰのような全摘出が行えたとしても,長期的には4〜15%の再発がある2,3,10).しかしながら,通常は良性の性格をそのまま維持するため,再手術により再び良好な予後が期待できる.その一方で,再発時の組織学的所見がたとえわずかでも悪化している症例は再発例の10〜38%と報告され4,5),その中には悪性転化した症例も散見される.悪性転化した症例の多くは,再発を繰り返すうちに悪性転化しており,短期間で悪性転化した症例の報告はほとんどない.今回われわれは,初回手術で良性髄膜腫と診断され,全摘出を行ったにもかかわらず,4カ月という短期間で悪性転化した1症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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