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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻2号

2003年02月発行

文献概要

連載 医療保険制度の問題と改革への提言・12

現場からの実例・提言—危機が進行する国民健康保険

著者: 今田隆一1

所属機関: 1財団法人宮城厚生協会泉病院脳神経外科

ページ範囲:P.225 - P.229

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Ⅰ.はじめに
 日本の医療制度は,アクセスのよさと平均寿命,健康寿命などの良好な健康結果を示す各種指標などの達成度からみて,先進国中で最も評価の高い制度となっている.しかし一方で,高齢者の増加と65歳未満の比較的若年者に比して5倍にも上る高齢者医療費の状況1)から,今後の日本の医療費と供給体制,公的セクターの役割については根本的な見直しが必要であるとの意見も大きくなっている.
 本報告では最近経験をした事例から,危機が進行している国民健康保険の現状を短期被保険者証,被保険者資格証明書発行の問題から考察し,国民健康保険の改善への提言を行いたい.被保険者資格証明書とは1年以上以上の国民健康保険料未納世帯に対して自治体が発行する証明書である.世帯該当者は医療機関窓口ではかかった医療費の全額を自己負担することとなっており,その後保険料の支払いに応じて償還払いされる.また特定機能病院における高度医療は受けられない.一方,短期被保険者証とは国民健康保険料の1年未満の未納世帯に対し,1カ月から6カ月の間の短期間に限って有効である保険証をさす.短期被保険者証の場合,次の保険料を支払えなければ被保険者資格証明書に転化される.被保険者資格証明書は1986年の国民健康保険法の改訂によって制度化され,自治体によって発行は任意とされていたものであるが,2000年4月の介護保険実施に伴って,法改正のうえ,正式に義務付けられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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