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症例
右大動脈弓により成人期にsubclavian steal syndromeを呈したPeuts-Jeghers症候群患者の1例
著者: 穂刈正昭1 黒田敏1 古川浩司1 宝金清博2 岩﨑喜信1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科脳神経外科 2札幌医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.281 - P.286
文献購入ページに移動鎖骨下動脈盗血症候群(subclavian steal syn-drome,以下,SSS)は動脈硬化や高安病によるものが多く,先天性疾患に伴うものは比較的少ないとされている13).先天性原因としては,大動脈弓からの大血管起始部の異常がほとんどであるが,高率に心奇形を合併し小児期に心不全症状で発症することが多い.右大動脈弓に合併した左鎖骨下動脈閉塞によるSSSを成人期に発症した症例はきわめて稀で,これまでに10例が報告されているのみである.今回,われわれは,右大動脈弓および左鎖骨下動脈閉塞により,成人期になってからSSSを呈したPeutz-Jeghers症候群愚者の若年男性を経験し,本症例に対してtransverse cervical ar-teryを用いた血行再建術を実施して良好な結果を得たので報告する.
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