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研究
十全大補湯による脳腫瘍患者免疫能への改善効果
著者: 宮上光祐12 片山容一1
所属機関: 1日本大学医学部脳神経外科 2駿河台日本大学病院脳神経外科
ページ範囲:P.401 - P.409
文献購入ページに移動漢方補剤による治療が癌の転移抑制効果や生存率の延長,quality of lifeなどの面から見直され,それらの治療効果を指摘する報告が散見される7,15).漢方補剤の一種である十全大補湯は非特異的免疫賦活剤として注目されており,これまでにも実験動物を用いた基礎的研究によって十全大補湯による免疫賦活作用や治療効果の報告がなされている13,15,17,18).しかし,臨床例,特にヒト脳腫瘍における十全大補湯の宿主免疫能改善効果について検索した報告はほとんど見当たらない.われわれは1998年以来脳腫瘍患者の免疫能をパラメーターとして治療予後と関連して検討してきた12).
今回はヒト脳腫瘍に対し手術などの初期治療後,補助療法として十全大補湯(TJ−48と略す)の単独治療,またはInterferon—β(INF—β)とTJ—48の併用治療を行い,その投与前後における細胞性免疫に関与するsuppressor,helper,cytotoxicの各T細胞,natural killer(NK)活性,tumor necro-sis factor alpha(TNF—α)産生能などの測定を行い,TJ−48の宿主免疫能への改善効果について検討した.
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