文献詳細
文献概要
扉
EBMとインフォームドコンセント
著者: 佐野公俊1
所属機関: 1藤田保健衛生大学脳神経外科・救急部
ページ範囲:P.483 - P.484
文献購入ページに移動 最近はEBMやインフォームドコンセントなしには,何も出来ない時代になった.“Evidence based medicine”とは文字通り根拠に基づく医療という意味で,もともと「新薬の開発の時などに無作為にその新薬と毒にも薬にもならない偽薬を与えて,その結果を統計学的に比較した大規模試験のデータによって得られた成績が正しい結果である」というものである.どの薬が誰にあたるかを医師にも患者にもわからないようにして行った二重盲検試験でrandomizationで行われた結果が,レベルの一番高いlevel 1の結果である.それに対して特定の医師が自分の経験に基づいて行ってきた治療成績は,レベルの一番低いlevel 5の成績とされるというものである.これは新薬の効果などの誰がやってもあまり差のない治療方法の効果判定においては,理論的根拠があると思われる.最近は外科治療にも,この方法による判定を持ち込もうという傾向がある.
果たしてこれは外科治療にもあてはまる考え方なのであろうか.確かに外科手術でも2,3年もすれば誰にでもできるものもある.そのような手術の場合には,疾患に有効か無効かが判定基準として正しいと思われる.しかし手術の中には術者によって全く成績の異なる手術もある.
果たしてこれは外科治療にもあてはまる考え方なのであろうか.確かに外科手術でも2,3年もすれば誰にでもできるものもある.そのような手術の場合には,疾患に有効か無効かが判定基準として正しいと思われる.しかし手術の中には術者によって全く成績の異なる手術もある.
掲載誌情報