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連載 脳外科医に必要な神経病理の基礎・11
腫瘍(3)髄膜腫
著者: 平戸純子1
所属機関: 1群馬大学医学部病理学第一講座
ページ範囲:P.562 - P.569
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
髄膜腫は中枢神経系に発生する原発性腫瘍のうちグリオーマの次に頻度が高い腫瘍型である.また,ほとんどの症例が良性で,肉眼的に境界明瞭な病変を形成するため,外科的摘除術の適応性が高く,脳神経外科医にとっては馴染みの深い腫瘍型であるといえよう.髄膜腫の病理組織学的問題点は,非常に多彩な組織像を呈するため多数の亜型に分かれていることと悪性度分類gradingの困難さである.後者の点に関しては,悪性度の分類に取り挙げられた組織形態学的基準のあいまいさと形態学ではその臨床生物学的悪性度が捉えきれない症例の存在という2つの原因が挙げられる.本稿では,はじめに髄膜腫の一般的な臨床病理学的特徴について述べ,次にWHO脳腫瘍分類20003)に沿って髄膜腫を亜分類し,それぞれの組織亜型について組織学的特徴像と鑑別すべき腫瘍型および鑑別の方法を記載する.最後に悪性度分類について脳腫瘍取り扱い規約第2版8)との相違点を含めて解説する.
髄膜腫は中枢神経系に発生する原発性腫瘍のうちグリオーマの次に頻度が高い腫瘍型である.また,ほとんどの症例が良性で,肉眼的に境界明瞭な病変を形成するため,外科的摘除術の適応性が高く,脳神経外科医にとっては馴染みの深い腫瘍型であるといえよう.髄膜腫の病理組織学的問題点は,非常に多彩な組織像を呈するため多数の亜型に分かれていることと悪性度分類gradingの困難さである.後者の点に関しては,悪性度の分類に取り挙げられた組織形態学的基準のあいまいさと形態学ではその臨床生物学的悪性度が捉えきれない症例の存在という2つの原因が挙げられる.本稿では,はじめに髄膜腫の一般的な臨床病理学的特徴について述べ,次にWHO脳腫瘍分類20003)に沿って髄膜腫を亜分類し,それぞれの組織亜型について組織学的特徴像と鑑別すべき腫瘍型および鑑別の方法を記載する.最後に悪性度分類について脳腫瘍取り扱い規約第2版8)との相違点を含めて解説する.
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