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総説
脳神経外科領域におけるナビゲーションシステムの現状と将来展望
著者: 川俣貴一1 伊関洋1 堀智勝1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.609 - P.618
文献購入ページに移動現在の手術用ナビゲーションは,術前に撮像したcomputed tomography(CT),あるいはmag-netic resonance imaging(MRI)のvolume detaを3面画像(axial, sagittal, coronal)上において,手術操作を行っている箇所をコンピュータのモニタ上にリアルタイムで表示するのが一般的である.術者は操作部位と周囲の3次元的構造との関係を常時把握できるので,手術の安全性,有効性が向上するうえに手術時間も短縮できる利点がある.
一般的に,術者は本当に計画した通りの適切な箇所を現在操作しているのかどうか,また,計画した通りに操作が進行しているかどうかなどを術中に自分のイメージ空間で常時確認しながら,手術を進めている.これを客観的なデータとして表示するのがナビゲーションシステムである.すなわち,これら術中の術者の確認作業を経験や勘に頼らず,客観的に一定の精度で支援するのが手術ナビゲーション技術である.
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