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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻6号

2003年06月発行

文献概要

症例

脳浸潤を伴った副鼻腔原発の悪性腫瘍に対し集学的治療を施行した1例

著者: 金相年1 鰐渕昌彦1 南田善弘1 八巻稔明1 田邊純嘉1 宝金清博1

所属機関: 1札幌医科大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.677 - P.682

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Ⅰ.はじめに
 鼻腔,または副鼻腔原発の悪性腫瘍(sinonasalcarcinoma)は全悪性腫瘍のうち,1%にも満たない非常に稀な腫瘍である3).Sinonasal carcinomaの初期症状としては鼻水,頭痛,嘔気などの風邪様症状や,疼痛,鼻出血というような症状が多い3).またsinonasal carcinomaのうち,約60%はsqua-mous cell carcinoma(SCC)であるといわれている.SCC以外には,腺癌,肉腫,神経芽腫,未分化癌などが含まれ,特に未分化癌(sinonasal un-differentiated carcinoma;SNUC)は非常に予後不良な疾患であり,しばしば頭蓋内,もしくは眼窩内へ浸潤し,時には遠隔転移も伴うことが知られている5).SNUCが初めて認識され,また1つの疾患として捉えられたのは1986年のことである16).現在のところ,標準的な治療法はないが,外科的切除,化学療法8,14),放射線照射を組み合わせた集学的な治療が適していると考えられている14).しかし,集学的治療を施行しても,平均生存期間は1年にも満たず,非常に予後不良な疾患である14).このため以前は施行されていなかったが,近年,脳浸潤しているものに対しては放射線照射や化学療法に反応を示すものに対して手術がなされるようになってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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