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GPLと情報の共有
著者: 高橋明1
所属機関: 1東北大学大学院神経病態制御学分野
ページ範囲:P.721 - P.722
文献購入ページに移動 「リナックス(Linux)」というのをご存じだろうか?コンピューターの基本ソフトウェアの一種でWindowsやMac OSと同列の関係にある.リナックスの開発手法は型破りな革命的なものだ.GPL(GNU General Public Liscense)と呼ばれるライセンスに基づいて,スウェーデンの若者,リーヌス・トーヴァルズによってオリジナルが創られた,その後世界中の開発者がインターネットを通じて,その発展に貢献している.しばしばリナックスは「オープンソース」や「フリーソフトウェア」と等価に語られるが,それは部分的に正しいだけで,その本質はGPLに基づいているということにある.GPLによると,ソフトウェアの開発者は自由にソフトウェアを改変できるが,それを配布するにあたって,「どこをどのように変えたか」という変更の履歴とともにソースコードを公開すること,配布するソフトウェアに同じライセンスを適用することが義務づけられている.著作権については,アメリカでは「ミッキーマウス法案」などに代表されるように保護期間の延長が進められているが,そのような考え方の対極に位置付けることもできるのがGPLだと思われる.エリック・レイモンドという人は「伽藍とバザール」という言葉で,システムを構築する過程の2つの両極端を見事に切り取っている.「伽藍」方式ではソースコードを非公開にし,少数の開発者がシステムを構築し,完成に近づいた段階で様々な環境下のテストを行う.
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