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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻7号

2003年07月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

側頭葉てんかんの手術

著者: 田中達也1 橋詰清隆1

所属機関: 1旭川医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.737 - P.746

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Ⅰ.はじめに
 てんかんの手術は,術前検査法の飛躍的な発達と,日本でもてんかん手術の保険診療が認められてから,手術症例が増加してきた.手術手技についても,多くの手術法が新しく開発されて,その総集編は,2001年の「Epilepsy Surgery,2ndEdi-tion』7)が,最新のてんかん手術教科書として出版された.しかし,アメリカにおいては,てんかん手術は,反省期に入っており,結果が確実な手術のみを選択する施設が増加している.てんかん手術は,てんかんの原因,部位,発作型により,手術法も多岐にわたっていることより,本論文ですべてを網羅することはできない.てんかん手術の中で,最も確実な成績が得られるのは,難治性の内側側頭葉てんかんで,発作消失率は約80%である.しかも側頭葉内側起源の複雑部分発作は成人において最も多い難治性てんかんである.本論文では,内側側頭葉てんかんの手術について,最も基本的な1)前側頭葉部分切除術について詳説し,さらに2)経側頭葉極扁桃核・海馬切除術および3)選択的扁桃核・海馬切除術についても解剖を中心とした手術手技について述べる(Fig.1).詳細なpresurgical evaluationの結果に基づいて,適応が確認された症例に対してのみ手術が行われることになるが2,3),本論文では,手術適応については紙面の都合で割愛する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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