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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科31巻8号

2003年08月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

側頭骨錐体部経由アプローチの選択と注意点

著者: 河野道宏1 浅岡克行2 澤村豊2

所属機関: 1富士脳障害研究所附属病院脳神経外科 2北海道大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.871 - P.882

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Ⅰ.はじめに
 神経耳科においての側頭骨部分削除は,1960年代より基本的なアプローチとして普及しており,前庭神経鞘腫に対してはtranslabyrinthine approachかmiddle fossa approachが繁用されてきた1,2,8,12,13,15,18,19,26,31,32,34).一方,脳神経外科においては,同腫瘍に対してはもっぱらlateral suboccipitalapproachが広く用いられてきたが4,5,23),近年では,前庭神経鞘腫のみならず髄膜腫など様々な小脳橋角部・テント切痕・斜台後方病変などに対して,側頭骨錐体部経由アプローチが用いられる機会が増加してきている.
 理想的には,側頭骨錐体部経由のすべてのアプローチに精通したうえで,おのおのの症例に応じて適切な進入法を選択して手術することが望ましいが,現実的には容易なことではない.また細かな点でのバリエーションは多く,最も適切で最低限の侵襲に止める手術方法の選択には迷うことも少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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