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総説
杉田式手術セットアップの概念と実際
著者: 田中雄一郎1 本郷一博1 大屋房一1 後藤哲哉1 宮原孝寛1 高砂浩史1 中村一也1
所属機関: 1信州大学脳神経外科
ページ範囲:P.1009 - P.1016
文献購入ページに移動本稿では,われわれが故杉田虔一郎先生(1932~1994年)から学んだ杉田式手術セットアップの概念とその実際の運用法を概説する.先生は生涯にわたり様々な手術機器の開発に携わり,多くを製品化に結びつけた.それらを武器に困難な手術に挑み,瞠目すべき結果を国際的な雑誌に次々と報告した14,15,21,23,25-27).開発は顕微鏡手術用の機器にとどまらず,定位脳手術機器7),手術室と教授室間のビデオケーブル敷設(約300m,1982年),顕微鏡ビデオ像立体視システム(1984年)24),手術室へのCT導入(1986年)5),顕微鏡手術ハイビジョン記録(1989年)6)など多岐に及んだ.本稿では,なかでも最も情熱を注がれた開頭手術のセットアップに絞って記載した(Table)4).それらの機器開発の背景や指導された使用方法に,われわれの解釈を交えて記述する.
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