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文献概要
連載 定位脳手術入門(11)
パーキンソン病における患者選択
著者: 藤本健一1
所属機関: 1自治医科大学神経内科
ページ範囲:P.1067 - P.1074
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
定位脳手術を成功させる秘訣は,これまでの連載で詳細に述べられてきた正確な手術と,これから述べる適切な患者選択に集約される.いかに優れた技術であろうと,適用を誤れば無駄になるし,時には害にすらなり得る.本稿ではパーキンソン病に対する定位脳手術の患者選択について述べるが,パーキンソン病はそれ自体が致死的な病気ではない.したがって治療の目標はADLの改善である.日常生活に必要な運動能力は,就業の必要性や介護力など,患者のおかれている状況によって大きく異なる.また治療効果の受け取り方も,患者の価値観や期待度によって異なる.したがって医療者側からみた「患者選択」と,患者側からみた「治療法選択」とは必ずしも一致しない.医療者は,判断に足りるだけの十分な客観的情報を患者に提供するようにし,手術治療を選択するかどうかの最終判断は患者に委ねるべきである.
定位脳手術を成功させる秘訣は,これまでの連載で詳細に述べられてきた正確な手術と,これから述べる適切な患者選択に集約される.いかに優れた技術であろうと,適用を誤れば無駄になるし,時には害にすらなり得る.本稿ではパーキンソン病に対する定位脳手術の患者選択について述べるが,パーキンソン病はそれ自体が致死的な病気ではない.したがって治療の目標はADLの改善である.日常生活に必要な運動能力は,就業の必要性や介護力など,患者のおかれている状況によって大きく異なる.また治療効果の受け取り方も,患者の価値観や期待度によって異なる.したがって医療者側からみた「患者選択」と,患者側からみた「治療法選択」とは必ずしも一致しない.医療者は,判断に足りるだけの十分な客観的情報を患者に提供するようにし,手術治療を選択するかどうかの最終判断は患者に委ねるべきである.
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