icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻11号

2004年11月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

神経内視鏡支援による脳動脈瘤手術

著者: 木内博之1 溝井和夫1

所属機関: 1秋田大学医学部神経運動器学講座脳神経外科学分野

ページ範囲:P.1117 - P.1130

文献購入ページに移動
 Ⅰ.はじめに

脳神経外科手術は,顕微鏡の普及に伴いmicroneurosurgeryとして飛躍的な進歩を遂げ,現在に至っている1-7,9,11,16-20).しかし,手術用顕微鏡は,照明と術者の視線の光軸が一致しているため,脳深部,特に骨性および神経構造物が入り組んでいる頭蓋底では,アプローチの方向により,死角となり観察できない部位が発生することは否めない.その欠点を補うものとして導入されたのが,神経内視鏡である.その利点としては,脳深部の構造物に到達するのに十分な照明が提供できること,微細な点を拡大できること,さらに,視野の拡大,特に顕微鏡の死角の描出の3点に集約される4,16)

 1977年,Apuzzoらは,脳神経外科手術にはじめて側視の硬性内視鏡を導入し,顕微鏡手術後の死角部位の確認を行い,深部に存在する脳底動脈瘤における有用性を報告した1).それ以降,顕微鏡手術の欠点を補うという点で内視鏡が有用であるとの報告が散見される.さらに近年では,内視鏡の支持装置の発達に伴い,手術前後の確認にとどまらず,顕微鏡術野に内視鏡を同時に導入し,両方をモニターし双方の情報を統合しながら手術を行う方法も広まりつつある.

 本稿では,現在われわれが用いている顕微鏡と内視鏡の同時モニターも含めた内視鏡支援による脳動脈瘤手術の実際について,解剖学的側面も交えて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?