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症例
遅発性出血を呈した外傷性中硬膜動脈偽性動脈瘤による硬膜外血腫の1例
著者: 木下良正1 安河内秀興1 津留英智1 奥寺利男2 横田晃2
所属機関: 1宗像水光会総合病院脳神経外科 2産業医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1139 - P.1143
文献購入ページに移動硬膜外血腫は通常,頭蓋骨骨折を伴い中硬膜動脈の断裂による疾患で緊急手術を要する場合がほとんどであるが,時に保存的に経過をみる症例がある8).特に外傷性中硬膜動脈偽性動脈瘤の破裂による頭蓋内出血は受傷後数日して発症することがあり11),医療訴訟の観点からも中硬膜動脈偽性動脈瘤の有無の診断は重要である.しかし,最近では硬膜外血腫で脳血管撮影が行われる症例は減少しており,術前に外傷性中硬膜動脈偽性動脈瘤が診断される症例は少なくなっている.われわれは急性硬膜外血腫にて入院し経過観察中硬膜外に遅発性出血を認め,興味ある画像所見を呈した症例を経験したので報告する.
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